桃月のオタク覚え書き

桃月(ユイ)のオタクカツドウ!を振り返ったり思い出したりするアレ

機動戦士ガンダムSEED FREEDOMを観た話

こんにちは、桃月です。またまたブログ更新まで時間が空いてしまいました。

そんなわけで今回はタイトルの通り『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を観てきた話をします。観てきたっていうか、気づいたらもう5回は観てるという事実に自分で震えています。

昨今のオタク、という言い方をすると主語が大きくなってしまいますが、それでも最近のアニメファンの人って劇場で同じ作品を何度も見るというのをごく当たり前にしている人が多いような印象があります。私も全くしない、と言うわけではないのですが、それでも2回見れば十分かなということが多くて3回以上見た作品と言えば『劇場版名探偵コナン 紺青の拳』を4回観たぐらいだと思います。

そんな私が5回観て、かつ、まだ劇場で観たいと思った作品がこの『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でした。

それでは以下SEEDシリーズの話やらを含めて映画の感想をだらっと語ってます。

 

そもそも『機動戦士ガンダムSEED』は2002~2003年、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は2004~2005年に放映された作品で、その当時の私は中学生でした。

当時の私はと言えば友人の影響でWJ系の作品にハマっていたのですが、兄から「そんなジャンプモノにばっかりハマって、ガンダムぐらいちゃんと見たらどうだ」と謎の煽りを受けていました。しかし、言われてみれば私は宇宙ロボット系の作品と言えばその兄の影響で見た『機動戦艦ナデシコ』ぐらいしか見ておらず、ガンダムというのも人生の中で歩んだ方がいいジャンルか…と思って見始めた気がします。あと、兄から「桑島法子の声を聞き分けろ」とかいう謎の課題を出されたことを覚えています。何なんだその課題は。

で、『SEED』の方は最初の方はケーブルテレビの再放送で見て途中からリアルタイムに追いついたか、と言った感じでしたが『DESTINY』からはテレビでリアルタイムで見ていました。(間に放送されていた『鋼の錬金術師』にもかなりハマっていたのですがそれはまた別の機会があれば…)

当時の『DESTINY』の展開と言えばまあ賛否両論でしたよね。私も正直シンの扱いに関しては「アレ?」と思いましたし、恐らく多くの人が憤ったであろうEDのクレジット問題に関しては当時からキレていた記憶があります。中学生のオタクでもあれは何で?!となっていました。

いや、そもそも『DESTINY』に関しては私の中では絶対に避けて通れないムウ・ラ・フラガ問題がありまして…『SEED』のTV放送版の終盤、ムウ・ラ・フラガさんがストライクガンダムで敵艦ドミニオンの砲撃をシールドで受け止めて戦艦アークエンジェルのブリッジを守るも、直後に機体が爆発。煙が消えるとそこにはストライクの残骸と宙に漂うムウの特徴的な紫のヘルメット。それを見たアークエンジェルの艦長でありムウの恋人でもあったマリュー・ラミアスの悲鳴が響く……という、とにかく印象的で感動的なシーンがあったのです。が、TV放送終了後に公開されたリマスター版ではその宇宙空間に漂うヘルメットが消されており、続編『DESTINY』ではなんとムウが生きていた!という展開になりまして……率直に言うと「ムウさんがみんなを守って感動した私の気持ちを返せ」と思いまして。正直今回の映画観るまではずっとその感情が残っていました。ちなみに、ムウさんの直後にかつて共に戦ったアークエンジェルの副艦長で現ドミニオンの艦長となったナタル・バジルールさんの「撃て!マリュー・ラミアス!」というこちらもグッとくる展開のシーンがあるのですが、ここで散るナタルさんはSEEDシリーズの中でも私が一番好きなキャラクターです。

まあ、そんなわけでお察しの通り私はSEEDシリーズに関しては複雑な感情を抱いている人間でした。好きなガンダム作品ではあるけど、でもやっぱり腑に落ちない点とか納得できない部分とかあるなあ…みたいな。中学生当時の私はそんなにインターネットを見ているわけではなかったのですが、それでも当時のインターネット上の賛否についてはなんとなく理解していました。

ちなみにSEEDシリーズで好きなキャラ、と言えば先に挙げたナタルさんや砂漠で登場したバルトフェルド隊長、『DESTINY』に出たオーブの軍人であるトダカさんです。何で3人中2人死んでるんですか?(泣いてる)

 

  • 劇場公開前の感情を吹き飛ばす最高すぎるOP

さて、そんな複雑な感情を抱いていた私はガンダムシリーズ最新作『水星の魔女』を見ていたのですが、その最終話でスレミオ~^^^^とか思っていたら急に『劇場版ガンダムSEED公開決定!』とか告知が出てめちゃくちゃ動揺していました。SEEDの劇場版の計画がある、というのは中学当時もなんとなく知っていて、それ以降もT.M.Revolutionの西川くんが事あるごとに言っているのを見て半分ネタと思いながら「公開されるといいね~」とか軽く考えていたのに、まさか現実になるとは。しかも本編放送から20年経ったこのタイミングでなるとは。恐らく多くの人たちが予想していなかったと思います。告知がされたとき、ちょうどTwitter(現X)が制限かかって他の人の反応が全く見えなかったので私は一人で大暴れしていました。

そんな告知から数か月後、現実と思えないまま私はムビチケを買って映画に備えていました。そして、1月26日劇場公開され、私はその翌日の1月27日のレイトショーに向けて映画館に向かいました。劇場前には夜遅い時間でしたが男女共にいろんな人が集まっており、開場後に館内に入ると自分と同世代から年上の方、若い方といろいろな世代の人がいるなあと思いつつレイトなのに埋まっている座席を見ながら映画が始まるのを待っていました。

先にも言いましたが、私が直前に履修したガンダムシリーズが『水星の魔女』で、作中でも激しい戦闘や戦争描写は多くありましたが『FREEDOM』のOPが始まった瞬間に「こっ、これこれこれェ~!!!」と思うようなドッタンバッタンドンパチが始まって自分の意識が一気にC.Eに行ってしまいました。そう、SEEDの戦争ってマジでこんな感じのドンパチだったよね!!と無駄にテンションが上がってしまっていました。

そしてその戦闘シーンに流れてくる『FREEDOM/西川貴教 with t.komuro』。正直、私の中でSEEDシリーズのOPと言えばT.M.Revolutionであって、ちょっとウーン…と思う部分はありました。が、実際戦闘に合わせて流れるOPを聞いた途端、"最高"になってしまいました。恐らく私が上の兄弟がいる影響で90年代小室サウンドに馴染みがあったということもあって、あのテケテケサウンドにブチ上がってしまいました。しかも戦闘シーンとの音ハメというかリンクがすごい!そして何より西川くんの歌声!!これ!!!これがガンダムSEED!!!!!と冒頭だけで正直満足するレベルでした。

というか冒頭の戦闘シーン、やっぱり映像技術が跳ね上がっているのもあってぬるぬる動きまくるライジングフリーダムが鬼ほど強くて笑ってしまいました。ドラグーン操作しつつ盾も操縦してるよね?あのドラグーンって水魔女みたく兄弟の意思があるとかそんなんじゃないよね??と改めてキラの無双っぷりに震えていました。

 

時系列で感想を語るとクソ長くなるので、メインキャラクターごとで少しずつ語ろうかなと思います。

やはり語るべきは主人公キラ・ヤマトでしょう。私の中のキラと言えば『SEED』の時の戦争に巻き込まれながらも自分しか戦えないと追い詰められ苦しみ、かつ親友に銃口を向けなければならないという追い詰められた状況で自分が考える正義を見つけ出す…というのが印象的なキャラクターでした。その当時の苦悩するキラの姿が私はとても好きで、そこからフリーダムに登場して無双する姿に胸を躍らせて応援していたのを覚えています。

ただ、『DESTINY』のキラに関しては正直『SEED』ほどの好感が持てなくて…、というのも『DESTINY』におけるキラは間違いなく『最強』のキャラクターになってしまっていたんだと思います。私は『DESTINY』の主人公をシンだと思って見ていたので、シンに立ちはだかる壁とは別の意味での『最強』を誇るキラに対してどういう感情を持っていくべきかわからなかったのだと思います。これは当時の自分が読み取れきれなかった、というのもあるのでしょうが、「キラが何を考えているのかわからない」というのがずっとありました。あまりにも強すぎて、考え方がわからない、というか。実際は作中で多くの戦いを止めるために戦っていく中で達観してしまったというか、「苦悩してはいけない」という考えになっていたのかもしれない、というのを今回の映画を観て気づかされました。

そう、私が見たかったのは「戦いの中で苦悩するキラ・ヤマト」だったんです。

キラが迷いながらも自分の答えを見つけ出そうとする姿が好きだった身として、今回の映画の中でラクスに裏切られたと感じて戦う理由を見失い自暴自棄になって弱音垂れている姿が私が求めていたキラ・ヤマトだったのだと感じたのです。

特にあのシーンで「だって、君たちが弱いから!」と言うのが『SEED』の頃にサイに対して言った「やめてよね」「本気でケンカしたら、サイが僕に敵うはずないだろ?」と追い詰められた中で友人に言った台詞を思い出させてくれてめちゃくちゃテンションが上がりました。

そしてそんなキラに対して文字通り気合の一発(どころじゃない)を入れるアスラン・ザラ!! 親友同士の拳の殴り合い、最高にアツいじゃないですか! というかSEEDシリーズの中でこんな風に真正面にキラとアスランが殴り合うのなかった気がするので、見たかったものを見せてもらえた~!という満足感はかなりありました。

 

  • はっきりと告げられる、キラとラクスの『愛』

これも私がSEEDシリーズを見ていてモヤモヤしていた部分なのですが、キラとラクスの2人ってアスランカガリに比べるとどうしても恋愛描写がふんわりしているというか、『SEED』で結ばれたというのもあって、『DESTINY』ではそこまですれ違うとかなくするっとくっついてるなあという印象があったので「この2人ってどれほど愛し合っているのだろうか」とは思っていました。

今回の映画はそれの答えが提示されたのだと私は感じました。

監督が今回の映画のテーマの中に愛があると仰っていましたが、ここまで明確にSEEDシリーズの中で愛を語る作品はなかったと思います。

そもそもキラとラクスの関係って、元々ラクスはアスランの婚約者だったしキラはフレイに片思いしていたし、戦いの中で傷ついたキラと再会して戦いを止めるために立ち上がろうとするラクスの隣にキラも一緒に立つ、という関係で正直「LOVE」的な関係には思えてなかったんだと思います。ただ今回の映画で、キラとラクスが文字通りにすれ違い離れてしまい、その遠くなった距離の中で改めてお互いが大切な存在であるのだと感じられたのだなと思いました。特にラクスに関しては遺伝子レベルの運命づけられた相手であるオルフェではなく、自分の人生の中で出会って愛しいと感じたキラを選んだと言うのがまさに「LOVE」、愛のある関係だったのだと見せつけられました。ラクスの「必要だから愛するのではありません。愛しているから必要なのです」という言葉がまさにこの映画のテーマなんだなと…この台詞、構文としてネタにされがちだけど普通にいい言葉だと思ってます。

と、いうか。正直言うと、私はラクスがそんなに好きなキャラではありませんでした。悪いキャラではないのですが、どうしてもふんわりした人、あまり感情的にならない人なんだな…と感じさせられていたし、世界的に有名な歌姫とはいえそんなに発言力あるものか…?と思っていたのですが、今回の映画でその理由も提示されたのとラクスが感情を露にして人間味を出してくれたのがとても良かったと感じました。キラにせよラクスにせよまだ20歳にもなっていない少年少女が戦争の中で己の感情や愛を押し殺していたのを爆発させるのが、彼らの本当の姿を見せてくれたんだなと思うと胸に来るものがありますね…。あと小ネタですが、ラクスがささやかな嫌がらせ?としてキラに大量の揚げ物を作っていたという話を聞いてラクスのことが前よりも好きになりました。キラのこと大好きだけど帰ってこないのを怒ってたりするのかな、と思うと微笑ましいですね。ヤマト准将定時退勤して♡

 

続いては『DESTINY』の主人公、シンについて。私は『DESTINY』だとシンを応援していた身ではあるのですが、いかんせんあのエンディングになってしまったのでいろいろとモヤモヤしていました。ちなみに私はTV版からしばらく本編を見ていなかったので実は私が知らないところでキラと握手していた事実を約20年越しに知って「私の知らない記憶だ!!!」と大騒ぎしたのはここだけの話です。

『DESTINY』におけるシンって物語の最初に家族を戦火で失い、自分を救ってくれなかった故郷に対して憎しみのようなものを抱き、自分のような悲しみを繰り返させないための最善の方法として戦う、という『SEED』のキラと似た境遇…いや、それ以上に辛く厳しい状況から始まっていたのに結局物語の中では黒幕(という言い方が適切かどうか微妙ですが)のデュランダル議長の手の上にいた、というのが何とも悲しいキャラクターだったとは思うのです。キラ以上に悲しみを抱えながら怒りや憎しみにを力にしてSEEDを覚醒させて荒々しく戦う姿が痛ましいこと……。

そんなシンが大きな戦いを終えた後、キラという憧れの存在と出会い共に戦うことによって怒りや憎しみだけでない感情で戦えるようになったのはよかったなあ……としみじみと感じました。シンの戦闘って毎回何かしらにブチギレているイメージがあったので、今回は本人なりに戦況をみたり一緒に戦う人たちの姿を追ったり、という彼の成長が見えたのも「立派になったねえ……」と謎の親心を発動させながらうんうんと見ていました。

それと同時に、シンの本来の姿である無邪気な少年の姿が見えたのもまた良かった。ブラックナイトスコードの面々がキラを煽ったことに対してむっとして勝負を挑んだり(結果は負けたけどそれでもちゃんと剣術とかも出来るのさすがザフトの赤服~って思った)、舞踏会で食べ物もりもりに持ってきてもぐもぐ食べたりルナマリアとアグネスの会話によくわからないまま入ってきてあしらわれたりと、年相応の少年らしい姿が見えてシンきゅんかわいいね~♡の気持ちになっていました。

そして!復活のデスティニー!!『DESTINY』でタイトル名を冠した機体が出たウオオオ!と思ったのにOPタイトルバックに何故かストライクフリーダムが出た件に関してはいまだに納得できていなかったマンですが、ここに来てデスティニーが出るとは思わず初見でめちゃくちゃ感動しました。そんなデスティニーを見て「これさえあれば、あんなヤツらなんかに…!」とにやりと悪い笑顔を浮かべたり、実際にデスティニーでブラックナイトスコードと戦う時には「こないだはジャスティスだから負けたんだ!デスティニーなら!」というデスティニーに対するアツい信頼を見せる台詞もあったりとなかなかに熱い展開がありました。……いや、普通にdisられたイモータルジャスティスくんが可哀想で初見マジで笑ったんですけど。

そんな信頼している機体、デスティニーでの戦闘はすごすぎてもう笑いしか出ませんでした。恐らく映画の中ではキラの不殺戦法を意識していて本領発揮できていなかったと思われるのですが、終盤の戦闘では戦う相手が明確な悪い連中だったので思いっきり倒せるということもあってシンが敵機をばっこばこと撃ちまくる姿が最高でした。

で、例の名言、「そんな寝ぼけた分身が、通用するかぁ!」「分身は、こうやるんだー!!」あの、これに関してはやられているダニエルと同様に「知らないよ、こんな武器?!」となっていました。何その技、知らん……。ちなみに映画見た後に『DESTINY』のHDリマスタースペシャルエディションを見直したのですが、多分あんな分身のシーンなかったよね???私の知らない記憶ですか?????

とにかくシン・アスカが大活躍していて『DESTINY』でモヤモヤしていた私の心をスカッとさせてくれました……。このシンの活躍を観れただけでも今回の映画の価値は映画代を余裕で超えてしまっていました。

先にキラとラクスの愛について語ったのですが、シンとルナマリアの関係も続いているし、ルナマリアがシンのこと大好きなのが伝わって私は大変嬉しくなりました。アグネスに対して「はあ?好きだけど。悪い?」とはっきりと言うシーンがめっちゃ好きです。シンルナもっとイチャイチャしてほしい。頼む……今度は初夜(?)成功してくれ…(???)

 

今回の映画のタイトルが『FREEDOM』となっていてキラを表しているのかと思ったのですが、作中で一番フリーダムだったのは間違いなくアスラン・ザラだっただろうな…と思います。

『SEED』ならびに『DESTINY』におけるアスランって常にどこかの陣営と板挟みになっていて、己の意思を出すよりもその二つの間でもがいて苦悩する、という印象があったのですが、今回の映画では己がするべき事というものが明確になっていたのもあってかすごく生き生きとしているように見えたんですよね。

……いや、生き生きしてるからっていきなりズゴックで出てくるヤツがおるか。

私はガンダムシリーズに詳しいわけでもないし、機体についても詳しいわけではないのですが、それでもアスランと言えば赤のガンダム!赤いジャスティス!って思っていたのにジャスティスはシンが乗っていたから、じゃあアスランは何に乗るの?って思ったらあんなずんぐりな機体に乗って俊敏に動くなんて聞いてないが。あの揺らめくズゴックは過去の作品のオマージュと言うのは聞いたのですが、あのシーンであれやられるの面白すぎて情緒がおかしくなっていました。

っていうかあのブチギレアスランの顔、マジでパトリック・ザラの顔してて笑ったんですが。アスランってお父さんよりお母さんに似てるよなあって思ってたのにキレてる顔がパトリック・ザラすぎて…ちゃんと遺伝子引き継いでるんだな、と何とも複雑な気持ちにはなるのですが、それにしてもあのブチギレっぷりが愉快すぎて面白さの方が上回ってました。

先のキラのところでも語りましたが、くよくよしているキラに一発どころか何発も入れるアスラン・ザラ。あまりにも容赦がない。もちろん本気でキラと向き合っているからこそなのでしょうが、キラが元々軍人として生きていたわけではなく体術が強いわけでもないのに対して、赤服ドエリートのガチガチ軍人がガチの構えをして親友をぶん殴るのも面白すぎる。シンプルにアスラン、強すぎる。

あとその後にキラを諭すように「俺の知ってるラクスはそんなことを言わなかったはずだ」とそれなりにいい台詞を言ったはずなのに周りが「エッ…」みたいな反応をして本人も「え?」みたいに返すの、あまりにもギャグシーンすぎて笑ってました。なんかアスラン・ザララクスを語るの、元婚約者だとか親友の恋人だとか、普段お前そんなにラクスを知ってんのか?という疑問を含んだりといろんな意味を踏まえると面白いし、周りがその反応になるのもなんかわかるのがなお面白かったです。

登場から面白シーン満載だったのに、最終決戦のアスラン・ザラは強すぎるし面白すぎるしで意味がわからなかったです。しれっとキラしか運用できないと言われているストライクフリーダムを操縦してしかもドラグーンも操作してみせるし、ズゴックの中からインフィニットジャスティスが出るなんて思わないし、敵が思考を読むからって言って恋人のキス顔(しかも裸)を考える(しかもめちゃくちゃ良い声で「カガリ……」って囁いてる)し、それで動揺する敵に対して「使えないな?(めちゃくちゃ良い石田彰の声)」って言うの、本当に一人の同じ人間でやってんの?????こいつやってることがマジでフリーダムじゃねえか!!とツッコミが追い付いていませんでした。

 

  • 私、SEEDシリーズ好きでよかったな……

さて、メインキャラについて語ったところで見ていて「ああ、SEEDシリーズ好きでよかった……」と思ったシーンの話をいくつかしようかと思います。

先にSEEDシリーズで好きだと言っていたキャラクターのうち2名が亡くなっているので映画を観るにあたってそのキャラクターが登場することは当たり前にないな、と思ってあまり考えずに見ていたのです。

しかし、ミレニアムを占領した体のマリューさんたちがオーブから脱出するシーン。あそこでオーブ軍がミレニアムに向かって攻撃をする(ふりをする)のですが、そこでオーブの軍人の口から出たのが「トダカ海将仕込みの百発百外し」という言葉。

ここのシーン、『DESTINY』の作中でオーブから出向するミレニアムの基となった戦艦ミネルバをオーブの上層部に撃つように言われたのに対して自身の戦艦の部下に対して砲撃を命じるも「絶対に当てるなよ!」と言ってミネルバ自体にダメージを与えないように、オーブから脱出できるようにしていたのです。ただ、ここの意図はその戦艦にいる人以外には知られておらず、のちにトダカさんはかつて助けた少年であったシンに撃たれてしまったのです…。そんな誰にも知られていないであろうトダカさんの生きていた証が、あの時と似た状況で明らかにされて、初見の私は劇場で声を抑えるのに必死でした。トダカさんの名前が出るなんて、全く予想していなかったし、あの時のトダカさんの思いはオーブの軍人たちに引き継がれているというのが本当に嬉しくて、胸が熱くなりました。

そしてミレニアムが宇宙に出た後、ファウンデーション軍と戦うシーンでマリューさんが口にした「戦術バジルール」。こちらも私が『SEED』で大好きだったナタル・バジルールさんの名を冠したものでした。宇宙空間に起動前のミサイルを放出し、敵艦隊が近づいたところで一斉にミサイルを点火させて予想していない方向からの攻撃をするというもの……これは上記で私が語った、アークエンジェルナタルさんを艦長としたドミニオンと戦った際に、ナタルさんがアークエンジェルに仕掛けた攻撃と同じものでした。

……あの、マリューさんが「バジルール」って名前出した時点で私はもう視界が歪んでいましたよ。『SEED』本編だと情に弱い部分もあるマリューさんに対して軍人らしくあるナタルさんが苛立ったり考え方の違いですれ違ったり、という部分がありながらも互いを認め合っていて、でも互いの立つ場所が変わってしまって撃ち合う関係になってしまって。そして最期はマリューさんに対して「撃て!!」と言って戦争の元凶となってしまった男を止めるために共に撃たれるという、悲しいけれど自分の中の正しさを貫いて死んだナタルさん。本来ならナタルさんが敵として恋人を撃ったことに対して恨みを持っていてもおかしくないマリューさんが、ナタルさんの名を冠した戦術を展開させていた事実が、二人の関係を強く残してくれていたことを明確にしてくれて、本当に嬉しかったです。マリューさんの中で、ナタルさんが残っているという事実を約20年越しに知れたことに、感謝しかありませんでした。

他にも『DESTINY』で全然出てこなかったサイが実はオーブでカガリのサポート役になっていたことや、カズイが軍や戦いから離れても生きていたことも『SEED』を見ていた身としては嬉しかったですし、アスランミラージュコロイドを使うのに対して「ニコルの戦法だな」って言うのもぐっと来ましたね。

そして!イザークディアッカ!デュエルとバスター!!これはさすがに盛り上がりましたね。しかもミーティア使うんかい!!とてんこ盛りなことされてブチ上がっていました。さらに言えばデュエルの正式名称がブリッツデュエルって、ニコルの機体の名前までついているのがまた……!ライトニングバスターももしかしたらトールから来ているのではないか、という説を見て、それにディアッカが乗っているというのもまたこう、ね……!ところでディアッカくんはミリアリアとやりなおさないの?長崎でデートしてたっぽいじゃん?(全国行脚ネタ)

過去作キャラの活躍と言えば、不可能を可能にする男ムウ・ラ・フラガ。先に『SEED』のムウさん死んでなかった問題でいろいろ思うところはあったのですが、今回の映画の中ではいろいろな戦場を乗り越えてきた安心できる兄貴分というポジションで出ていてくれたことが嬉しかったですし、因縁があったシンとも同じ組織で協力し合って戦っている姿をみれてグッときました…が、個人的に一番アッ!となったのがレクイエムの軌道上にアカツキに乗って登場するシーン。『DESTINY』の終盤でアカツキに乗っていたムウさんが再び乗って、敵の最強兵器であるレクイエムの攻撃を阻止して、しかもそのビームを真正面から受ける……というめちゃくちゃかっこいい姿を見せてくれた後に、「やれやれ、不可能を可能にするってのも辛いよね」とおどけて見せるシーンがすごく好きで。なんていうか、これは私が穿った見方をしているうえでの感想ですが、本来『SEED』で死んでいたはずのムウさんが『DESTINY』でいろいろな都合もあって蘇る…不可能を可能にさせられているのを見ていたので、そこに対してちょっとおどけつつ文句を言っているように見えて、なんか言葉にし難いのですが嬉しく感じたんですよね。これはマジで私がムウさんに対する感情が歪んだうえでのアレなのですが…。

ただね、この過去作キャラ登場ドーン!活躍ドーン!の中で唯一納得できないことがありまして……お察しいただけるかと思いますが……、バルトフェルド隊長の出番もっとあってもよくね??????確かに『DESTINY』終盤あんまり出てなかったと思うけど、それでも隊長めちゃくちゃ重要ポジションやんけ。もっと出してくれ……頼むよ……とあのシーンを見るたびに思うのです。

まあこれに関しては後に音声ガイド上映を使って置鮎氏の声を摂取することによってなんとか落ち着けることが出来ました。(っていうか音声ガイド上映が上手くできなかった投稿したら置鮎氏本人から直接リプが来て心臓ぶっ飛ぶかと思ったという謎エピソードがあったりします。どういうこと???)

とにかく、過去のSEEDシリーズを見ていたらグッと胸に来るものがたくさんあって、SEEDシリーズ好きでよかったな……と思わされたのでした。

 

エモい感じの話を多くしていたのですが、正直にこの『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』についての感想を一言で言うと「おもしれー映画」に尽きるのです。

先のアスランの部分でも触れたのですが、この映画とにかくおもしれーシーンがめちゃくちゃ多かったと思うんですよね。

前半は「俺たちが知ってる倫理観ゼロのガンダムSEEDだ!キャッキャ!」といったテンションで見ていたのですが、後半は「俺たちが知らねえガンダムSEEDじゃん…」という宇宙に置いて行かれるようなシーンがてんこ盛りで、そのぶっ飛んだ感じも含めて面白い作品だったと思うんです。

ファウンデーションに到着してから何度も見せつけられるオルフェとラクスの邂逅、それを見て苦しむキラとイングリット(特にイングリットが自分の身を抱いて苦しむシーンが可哀想ではあるけど何度も見ると正直面白い)、個性が強すぎるブラックナイトスコードの面々、「闇に落ちろ、キラ・ヤマト!」からの突然の精神干渉、怒涛の勢いで撃たれて炎上するアークエンジェル、キラのピンチに現れるズゴックアスラン……書きながらこれを一気に見せられたのか、と震えてしまいました。あまりにも情報量が多すぎる。

加えてしれっと映画で初登場したおもしれー福山潤ことアルバートハインラインとかいう早口男の存在も外せませんね。「我に新兵器あり!」があまりにも唐突だしあまりにも有能だし、敵からの総攻撃受けても大丈夫だと言う安心感。初見の時「あ、私が知らないSEEDシリーズの派生作品で出てきたキャラなんだ」と思っていたのですが、そんなことはなかったようです。初登場で出てきたのに、何なんだその安定した存在感は。

それと同じく初登場したコノエ艦長もCV大塚芳忠ということもあってか安定感がありましたね…早口のアルバートに対してのんびりとした口調でありながらもずっしりとした言い方で、艦長としての貫禄を感じさせるのが流石でした。そしてミレニアムの乗っ取り騒動の時にあたふたするアーサーに対して動じた様子もなく構えているアルバートとコノエ艦長……君ら本当に今回お初の登場なの?????

一方今まで登場していたけれどヤバい人だったことが改めて実証された男、アーノルド・ノイマン。実は私、ノイマンさんとナタルさんのカップリングが好きでして(※ゲームボーイアドバンス版のゲームの中でこの2人が結ばれるルートがある)、それでノイマンさんのことは好きではあったのですが、この映画の中でノイマンさんってここまでヤバい人だったっけ?と思いました。

何で重力下で戦艦垂直にさせてんの??????しかもあの精密な攻撃をしてくるレクイエムの砲撃避けてんの??????

それから何で戦艦でドリフトしてんの?????????

あの、ドリフトに関してはマリューさんが「左ドリフト!」とか言っていた時点で「ん?」と思っていたのですが、マジでミレニアムがドリフトしているのを見てなんか車でレースする系の映画見てる?ってなりました。戦艦の動きとちゃうんよ、あれ。

トドメに戦艦で敵戦艦に突撃してましたけど、ミレニアムって戦艦ですよね?モビルアーマーじゃないですよね??と思うぐらい異常な挙動をしていて圧倒、もう笑うしかなかったです。ちなみに4DXも見たのですが、ミレニアムの戦闘シーン、マジでどっかんどっかん揺られて、座席から振り落とされそうになりました。ノイマンさんの操縦えぐすぎるから私はミレニアムには乗れねえな……(?)

そんなトンデモ戦艦バトルを見せられているのと同時にシンは本物の分身を見せてくるし、アスランカガリのことを思って(オブラートに包んだ表現)戦うし、敵のファウンデーションは混乱しまくりだし、と情報が錯綜する中でキラに新装備を届けるラクスのパイロットスーツがセクシーだし、乗り方が「ギアスで見た!!!」ってやつでテンション上がったし…と思っていたところで登場するマイティ―ストライクフリーダム

先に『DESTINY』について語る中で、OPのタイトルバックを奪った~みたいな言い方をしたストライクフリーダムですが、正直言うとSEED……いや、ガンダムシリーズの中で私が一番好きな機体でした。元々フリーダムもかっこよくて好きなのですが、関節の金色が強くてかっこいいし、青い羽がドラグーンになって一斉攻撃するところがかっこよすぎたし、昔はプラモというかフィギュアを持っていつも眺めていたという思い出のある機体でした。なので、今回の映画でストライクフリーダムが再び登場したことに対してすごくテンションが上がっていたのです。

そんなストライクフリーダムにさらなる装備がついて登場した、マイティーストライクフリーダム。神々しく登場した時、隣(というか肩付近)にラクスがいたのは感動すべきシーンのはずだったのに、どうしても面白さが先行して笑いを堪えてしまっていました。それなのに流れてくるBGMが『Mereor-ミーティア-』なの感情をどこにもっていけばいいんだよ?!とエモさと面白さの間でぐちゃぐちゃになっていました。というか冒頭で「SEEDといえばT.M.Revolutionだよな~」とか言っていたのがここで回収されるとは思わなくて、しかもキラに新しい武器を託すシーンで流れるなんて、あまりにも過去作への愛が込められすぎている。

その後にキラとラクスが隣に並びになって戦うのですが、ラクスがあまりにも強すぎる。SEED覚醒させたラクスが敵の攻撃を一瞬で把握・網羅して、キラと意識をリンクさせて(???)その攻撃を遮断させるとんでもないことをやってのけるし、とんでもないビームを使うのにキラが申請してコンパス総裁のラクスが隣で秒で承認するとかいうとんでもねえくだりを見せられ、とんでもねえビームが普通に隕石(厳密に言うと違うけど)を向こう側にいる戦艦ごと真っ二つにするとかいうとんでもねえ攻撃を見せられて「??????」となっていました。もうこの感情をどう表せばいいかわかんないけどマジで「??????」って状態だったんだよ初見は……。

その勢いのままオルフェ・イングリットが乗るカルラとの最終決戦、遺伝子で運命づけられているから自分と結ばれるべきであると叫ぶオルフェに対して愛で繋がったキラとラクスがカルラを打ち倒す……正直、オルフェやイングリットには同情する部分もあるのですが、あの二人やアコードの面々は犯した罪も大きく明確な悪として描かれているのもあって、あそこで倒されるしかなかったんだろうな…と思いました。

で、オルフェたちを倒した後に流れてくるED。唐突に流れる「最後に歌うよ」というED……ごめん、本当にいい曲なのは解っているんですが、初見ではこれまでのトンデモバトルを見せられて頭がぶっ壊れていたのでマジで面白く感じてしまっていました。繰り返し言うのですが、『去り際のロマンティクス』いい曲ではあると思うんですよ。ただ、EDの第一声が「最後に歌うよ」だったのが面白すぎただけで……。そして戦いが終わってそれぞれの再会のシーンが描かれて、特にアスランカガリが互いに大切にしているお守りと指輪を見せ合うシーンはぐっと来たのですが、最後にキラとラクスが裸になって海辺で向き合って口づけを交わすの、……いいシーンなんですけど!!マジでいろんなものを一気に摂取してしまったから面白く感じちゃったんだよ!!ごめんなさい!!!!!

 

  • 総括

過去の思いやらぐちゃぐちゃになった感情をそのままに書いたらとんでもなく長くなってしまったのですが……

とにかく『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』という映画、私の中では2024年おもしれー映画大賞にノミネートしました。なんというか、単純に面白かった!良かった!というよりは「へえ……おもしれー映画」っていう、これまでのSEEDシリーズに関する感情を踏まえた上で楽しく観ることが出来た作品だったと思います。

というか、正直この映画観る前って私もそうですが多くの人がいろいろな覚悟を決めて観ないといけないって思ってませんでしたか?Twitter(現X)で誰かが言っていた「葬式に行くつもりで観に行ったのに公式が見せてきたのがお祭りで爆竹使って盛り上がる様子だった」というのがまさしく当てはまるものだったと思います。過去作を観てきた人へのファンサービスを詰めて、最後のバトルは派手に激しく見せてくれた、まさにSEEDシリーズのお祭り作品だったと思います。この先もC.Eの世界では戦いが繰り返されるのだろうけれど、きっと愛を知って愛を持ったキラやラクスたちは新しい時代を歩み続けるんだろうな…と思えるエンディングでとても良かったなと思いました。

続編を望むつもりはないのですが、ただ……あの……途中で急にぶち込まれたフリーダム襲撃事件に関するOVAは作ってもらえるんですよね?????映画特典の小説でもちょっと触れられていたけど、あの、その辺の詳細な情報は……我々に与えられないのですか……?待ってます……(切実)

とにかくSEEDシリーズ見ていた人は観に行こう!!そしてみんなでアスラン・ザラカガリにクソデカ愛情を持っていたことを体感しよう!!4DXならノイマンさんのトンデモ操縦体感できるから観るんだ!!

 

そんなわけで長々とした感想記事にお付き合いいただきありがとうございました!

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